その後も、沢山の人の波にのって、様々な部屋を渡り歩いていった。あまりにも素晴らしい美術品が、次から次へと私たちの目の前にあらわれてくるので、ひたすら「へぇー」っと感嘆しながら進んで行った。
その中で、私が特に印象に残っているのが、“タペストリーのギャラリー”、“地図のギャラリー”などである。タペストリーはかなり大きく、壁一面に広がるものもある。しかも、何百年も前に織られたものだ。タペストリーの主題は、「キリストの一生」だという。色もあせてきてしまっているが、こんなものをよく織れたものだ、と深く感動したのである。
あと地図のギャラリーは、その名のごとく、グレゴリウス13世が16世紀後半に描かせたイタリア各地方と教会所有の土地の地図がかかっている部屋だ。
その当時の地図の正確さや世界感も見えるような気がし、なかなか興味深かった。
それに何といっても、これらのギャラリーがある建物自体の装飾も素晴らしかった。壁にかかっている美術品に感心しながら、同時に天井の装飾や部屋の造りにも度肝を抜かれた私たちだった。
いくら上野でヴァチカン美術展をやっても、この建物自体は持ってこられない。やはり日本に出張してくる美術館に行くだけではなく、本場の美術館に来る価値があるのは、この辺にもあるだろう。とにかく、建物自体が美術品、といった感じだ。
その他にも“無原罪のマリアの間”や“ラファエッロの間”やら、すばらしい美術品の中をすすんでいく。私たちは、ただ、ただ感心し通し。ラファエッロの間で聞いたオーディオガイドの説明に、フレスコ画の説明があった。この部屋の壁画を描くために、ものすごい技術と想像を絶するような労力がかかっていることを知り、それにも感心したのであった。とにかく、天才が実在したというのをその壁を見て実感できる。
短時間のうちに、数多くの美術品の迫力に圧倒されながら、流されるように進み、いよいよ最後の大物、システィーナ礼拝堂へと私たちは進んで行った。ここは、あの法王選挙(コンクラーベ)が行なわれる場所でもある。2005年の今年、法王が亡くなり、新しい法王が決まる時に、何度もニュースで取り上げられ、覚えている人もいるであろう。実際自分がその部屋に入れるとは思わなかった。
そして何より、システィーナ礼拝堂で有名なのは、ミケランジェロの天井画と壁面の「最後の審判」であろう。私もせっかくヴァチカンに来たからには、これだけは見て帰りたいと思っていたものだ。天井画は、ミケランジェロが32歳から37歳の4年間をかけて、助手を使わず、一人で描きあげたものだという。天井にこれだけのすばらしいフレスコ画を描く、という偉業を成し遂げたミケランジェロは、やはり天才としか言いようがない。
壁面の「最後の審判」は、ミケランジェロが60歳を過ぎてから取りかかったものだという。この絵は、テレビなどを通して今までに何度も目にしたことがある。そして実物を目の前にすると、テレビなどでは伝わってこなかった迫力を感じた。私は絵画などを勉強したことがないので、専門的なことはよくわからないが、やはり名画と言われるようなものは、オーラというか迫力をそれ自身が発しているような気がする。素人の私の素朴な感想である。
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